深川市の音江神社様にて、石材加工の技術を活かした木製看板のリニューアル
深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。深川市の音江神社様にて、石材加工の技術を活かし、木製看板のリニューアルをさせていただきました!
木製看板のリニューアル 石材加工技術を活かして 深川市音江神社様
神社様の木製看板が傷んでしまったので、これ以上傷んでしまう前に修繕したいというご相談をいただきました。
社務所の玄関にかかっていた看板です。音江神社様の100年記念事業の際寄附で製作した品物で、設置してからもう10年以上は経っています。よく見ると、端の方が傷んでいるのが分かります。
6cmほどの厚みの平らな板にペンキで文字を書いたものですが、ペンキが落ちにくいようにプラスチックコーティングのようなものを塗って仕上げていました。その表面に亀裂が入って、文字部分まで欠けはじめています。ただ、木材の部分はまだ分厚く立派なもので、十分使えると判断して、今回はお墓彫刻の技術を使って木材を彫刻する方向でご提案しました。
表面の傷んだコーティング剤をはがしたところです。塗料が染み込んでいたようで、うっすら書かれていた文字が見えています。
下地を取ってから、文字部分にゴムシートを貼り、字型を取ったところです。今回は、文字の周りを彫刻する「浮かし彫り」を、石材彫刻と同じサンドブラストで行います。ゴムシートを貼った部分はそのままで、周りの部分を彫ることになります。ペンキが染み込んでうっすら残っていた文字をもとに、シートを貼りました。
ブラスト後です。ブラスト前に比べて、文字の周りの木目がはっきりと出ています。サンドブラストは、細かい砂を吹きつけて石を彫刻する方法です。石の場合は、砂と石がぶつかってかち合い均等に彫れるのですが、木材の場合は石と違って柔らかく節や木目があるので、刺さるところとはね返るところの差があって、均等に彫るのが難しいです。石屋でも木材をブラスト加工する機会はなかなかないこともあって、きれいに仕上がりよく彫るには、石に比べて倍くらいの時間がかかりました^^;
ゴムシートをはがしました。シートを貼っていた文字部分は元の看板のまっすぐな状態、その周りはブラストで彫り下がっています。文字が浮き出した仕上がりになります。
全体です。「浮かし彫り」で、木の素材の木目をきれいに表現することができています。
浮き出した文字に、お墓と同じラッカーペンキ(油性)で色を入れました。筆で丁寧に入れていきます。
完成です!文字が浮き出しているので立体感があってよりはっきりと見えます。ペンキが経年ではがれてきても見えやすいですし、色を入れ直せば補修できます。
完成した看板を設置しました! 木の素材と、石屋の技術を融和させた仕上げです。
関係者の皆様は、想像以上の出来栄えにとても喜んでくださっていました。事前にどういった彫刻をするのかはご説明差し上げていましたが、文字部分の周りを彫り下げる「浮かし彫り」は、一般の方には具体的にどうなるのか分かりにくかったようで、少しびっくりされていました^^ 以前のペンキで書いただけの看板に比べると後々の手もかからず、木目を出して温もりが感じられる看板になり、うまく素材を活かすことができたと思います。
弊社では、こうした木材の看板の作成もこれまでに何度もいただいています。その経験から、彫ったときの木目の出方なども分かるようになりました。木材の加工、普段行っている石材の加工と同じで、木と相談しながら、うまく素材の良さや味わいを活かすことを考えながら行っています。ご縁のあった方々に喜んでいただけるよう、今後もできる限りのお手伝いをさせていただきたいと思います!
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