日高石の自然石で、俳句碑を建立させていただきました。北海道北竜町イチイの森にて

深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。北海道北竜町イチイの森に、北海道産日高石の自然石の俳句碑を建てさせていただきましたので、ご紹介します。

 

北海道北竜町イチイの森 俳句碑の建立

北海道俳句作家賞、俳人協会賞を受賞した作品の碑

 

以前から公私ともにお付き合いのある方が、北海道俳句作家賞・俳人協会賞を受賞され、その俳句碑を建立させていただきました。北竜町にある「イチイの森」に、町からのご依頼で建てることになりました。

 

こちらは俳句碑の本体となる石です。北海道産の日高石という天然の川石で、3トンあります! 施主様のお庭にあった、大好きな石を使用することになりました。

 

彫刻する文字の配置調整を行います。文字は施主様が書かれたものです。俳句は句を短冊にしたためますから、俳句をされる方は皆さん字もとてもお上手です^^

 

彫刻の下地準備をしています。今回の石は、自然の石なので表面がボコボコしています。こうしてパックするように下地を作り、表面をなめらかにすることで彫刻しやすくなります。

 

下地の準備が終わると、字型を転写する準備をします。再度文字のレイアウトを確認し・・・

 

彫刻するためのゴムシートを貼りました。シートを貼ったあとは、文字部分をくりぬいて彫刻をしていきます。

 

サンドブラスト彫刻中の様子です。大きな石ですが、弊社の彫刻室は広いのでなんとか入れて彫刻することができました。サンドブラストは、圧縮された空気とともに砂を吹きつけて行う彫刻の仕方です。

 

彫刻の完了した句碑を、クレーンで吊り上げていよいよ設置します。3トンの重さがありますので、25トンの大きなクレーンを用意しました!

 

下にコンクリートで基礎を打っていた場所に、手を添えながら慎重に設置していきます。今回は、3トンという重量があることを考慮してしっかりと基礎を打ちました。

 

自然石の句碑ですから、底面はボコボコしています。平らな基礎の上に設置するには、角度などの微調整が必要です。調整後、下の基礎コンクリートを土で隠して仕上げます。

 

完成です!

地元日高石の自然石で製作し、自然に溶け込みながらも存在感ある俳句碑に仕上がりました。

 

「田仕舞(たじまい)の 軍手にのこる 握り癖」
田仕事で着けていた軍手にも、握り癖が残っている・・・
無事に秋の実りを迎えた感慨、長年の田仕事の苦楽も軍手にちゃんと残っている・・・かつて実際に長年田仕事をされていた施主様の実感のこもった句です。

 

手前には参道も整備されました。句碑の周りは土のままなので、春になれば周辺と同じように草花が囲むようになるでしょう。この「イチイの森」には、地元北竜町にゆかりのある方の俳句碑・歌碑がすでにいくつか建っており、今回で9基目となりました。町民の皆さんの手作りの森で、こうした俳句碑・歌碑が要所要所にあり、自然の中を散策しながら地域の文学にも触れることができます。

今回は、日高石の自然石に彫刻した俳句碑の建立でした。自然の石に彫刻するのはお墓への彫刻とは違うところも多く、技術が必要な仕事です。後世に残るという点ではお墓と一緒ですが、作品をこうして形にして残すことで、それぞれの作者の方の想いも残すことができるということも、石の素晴らしい力のひとつだと思います。また、今回は施主様のお好きな庭石を活かしたことで、なおさら想いのこもった、世界に一つの句碑となったのではないでしょうか。施主様に喜んでいただけるだけでなく、町民の皆さんや訪れる方々にも、思いを馳せていただけると嬉しい限りです。このたびは弊社にお声かけいただき、ありがとうございました。