「愛」をテーマに、イタリアの大理石ビアンコカラーラのお墓を建立。随所に愛を感じる、純白のお墓。深川市一已町一已墓地にて

深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。深川市一已町の一已墓地にて建立した、イタリアの大理石「ビアンコカラーラ」のお墓をご紹介いたします!

 

深川市一已町一已墓地 イタリアの大理石ビアンコカラーラのお墓

 

知人の方からお墓の建立のご依頼をいただきました。ご主人様を亡くされた奥様で、お墓についてのご希望を伺うと、「”LOVE”なお墓を作ってほしい!」とおっしゃって、デザインや石の選定などは一任いただけることになりました。ご信頼いただけているからこそのことでうれしい反面、プレッシャーもありました^^;

 

こちらは完成イメージ図です。「”LOVE”=”愛”なお墓」をテーマに作ることになったものの、テーマが漠然としているので、色々と悩みながら、石種や色・デザインを考えました。デザインは最終的には図のような、中央の丸いお墓本体を包み込むような、抱擁するイメージをご提案しました。
石種は、「ビアンコカラーラ」というイタリアの大理石をご提案しました。「愛」がテーマと言ったら、情熱的な赤!なども候補になるかもしれませんが、私には純白の大理石がぴったりに感じました。プレッシャーもありましたが、考え抜いた甲斐あって一回でOKをいただくことができました!

 

今回ビアンコカラーラは、イタリアから原石を仕入れました。船旅を経て、国内に入港したところです。

 

原石が弊社の工場に到着しました。200才(1才=1尺立方)あります!

 

加工が始まりました。切削中の様子です。

 

切削後、表面を研磨しています。こちらは中央の丸いお墓本体、丸く加工する前の状態です。

 

曲面を加工中です。お墓の壁の上部にあたるところです。

 

お墓本体を加工して、丸い形になりました。裏側にカロート部分の穴を開けるため、これからくり抜いていきます。

 

くり抜くとこのようになります。直径120cmの大きな円柱が納骨室になります。

 

各々のパーツが完成してきました。これらを組み合わせていきます。

 

工場内で仮組みをしています。こちらはベンチ部分です。実際に組み合わせてみてから、細かい調整をします。

 

お施主様直筆の「LOVE」の文字を、ゴムシートに写して字彫りの準備をしています。文字は、何通りか書いていただいたものから一つを選びました。

 

彫刻終了です。

 

文字を書いていただくだけでなく、彫刻も施主様にご参加いただきました^^ 左は施主様のご長男、右が施主様(奥様)です。今回は、ほかにも原石にノミ入れをする石割り式に参加いただいたりしました。より思い入れのあるお墓になったのではないでしょうか。

 

完成したお墓のパーツを現場で設置しています。青いテープは、石と石の継ぎ目にきれいに目地を打つための養生テープです。

 

完成です!

まわりを壁で囲まれたお墓のデザインは、大きく二つのイメージから着想しました。お墓の正面には、まるで見守るように、亡くなったおご主人様が生前にお仕事をされていた場所を望むことができます。その場所とお墓とが結びついて、お互いにパワーを受けたり送ったりできたら・・・というイメージ。もう一つは、家庭の茶の間のようなあたたかい居場所のイメージです。丸い納骨スペースも、「輪」=「和」を表現しています。
こちらはお墓の奥にあるドイツ製のブロンズ装飾です。ユリの花の装飾の下には、お施主様のご苗字があります。

 

お墓の中央にある本体納骨蓋には、このようなアートガラスを入れました。アメリカ製の特殊強化ガラスで、直径30cm、厚さは3cmほどあり、屋外でも十分に耐久性があります。色は数種類から選ぶことができますが、お施主様のお好みのブルー系のガラスを使用しました。納骨の際は、この丸い蓋を取り外してご納骨します。

納骨室は、通常は密閉されて光が入らない空間です。このアートガラスを入れたことで、日中は暖かい日差しを感じ、夜は星空を楽しむことができるのです。これも亡くなった方への”愛”を感じさせるものです。

 

床面は、アルビノイエローという南米産の鉄平石を貼りました。明るい色合いで、白い大理石と組み合わせると、地中海風のさわやかな印象になります。

 

右壁には墓誌を設置しました。文字彫刻にはティファニーブルーという色を入れています。お施主様のご希望で、お好みのブルー系の色を調合して入れました。
テーマとした「”LOVE”=”愛”」を随所にちりばめた、素晴らしいお墓に仕上がりました。

完成したお墓に、お施主様は大感激されていました! 想像以上の「”LOVE”なお墓」だったととても喜んでいただけました。初めの図面では、これがお墓になるの?と半信半疑のところもあったそうなのですが、実際に完成したお墓をご覧になって、「150パーセント以上満足です!」ととてもうれしいお言葉もいただくことができました^^

今回ご紹介したのは、イタリアの大理石「ビアンコカラーラ」のお墓でした。実は私自身、大学を卒業後家業を継ぐ前に、大理石の本場イタリア・ビアンコカラーラ地方での彫刻修行を目指していました。事情があってイタリア行きを断念しましたが、「いつか大好きなビアンコカラーラを使ってお墓を作れたら・・・」という夢はありました。そんな経緯もあって、「”愛”をテーマにしたお墓」を考えていて頭に浮かんだのは、私にとっても愛する石である「ビアンコカラーラ」でした。お施主様のご希望も叶えつつ、自分自身の夢も叶えることができ、一生一代の忘れられないお墓作りになりました。こうした機会をくださったお施主様には、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。