深川市営深川東墓地から札幌市の民間霊園へ、再研磨を経て移設。新たな送り出し改葬のかたちをご提案
深川・北空知、旭川を中心に、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、マル安三上石材の三上です。深川市営深川東墓地から札幌市内の民間霊園へ、改葬にともなうお墓の再研磨、お墓じまい工事をさせていただきましたので、ご紹介いたします!
【深川市営深川東墓地から札幌市滝野霊園への改葬(移設) 再研磨・お墓じまい工事】
深川東墓地にお墓をお持ちの方から、住まいの札幌市にお墓建てたいので、今あるお墓を処分したいというご相談をいただきました。父の代に建立をお手伝いしたお客様でした。
お墓じまい工事のお見積りのため墓地へ向かい、お墓を確認すると、お客様のお墓は福島県産の吾妻石という銘石で作られたお墓でした。お客様はこの機会に処分してしまおうと考えておられましたが、石の状態も良く、こんな福島のいい石で作られたお墓を処分するのはもったいない…!と感じたので、このままお墓を移設されてはどうでしょうか?とご提案しました。移設にあたっては、再研磨して新品同様にきれいにしてから運搬しますが、札幌で一から新しくお墓を建てるよりも費用も抑えることができます。お客様もご提案を採用してくださったので、お墓を取り外してブロック柵などの解体・お墓じまい、お墓本体の再研磨・札幌市の霊園への運搬までをお任せいただくことになりました。
お墓本体を取り外して、ブロック柵やコンクリートの基礎などを解体、お墓じまい工事が完了しました。ご遺骨は改葬に向けてきれいに整え、準備をします。取り外したお墓は、再研磨のため工場へ持ち帰りました。
再研磨前です。弊社の再研磨は、「ポリシングミックスGC」というオリジナルのシステムで行っています。ツヤ度を測定できる機械「グロスチェッカー」で測定すると、「47.3」という数値が出ています。建てられてずいぶん年月が経っていますので、艶も落ちていることが数値としても分かります。
棹石のすぐ下の上台表面は、「65.9」となっています。追加の彫刻を工場へ持ち帰ってした際に汚れを取ったりしたのか、少し高い数値です。
一番下の芝台、その上の中台なども、全て取り外して持ち帰りました。40数年経っていますので、汚れもずいぶん付着しています。
上面はこれから磨き直す部分で、側面は再研磨が完了したところです。上面は縁のあたりにも水垢がついているのが分かりますが、側面はすっきりきれいになっています。
棹石の再研磨も完了です。「90.1」となって、見た目にもツヤがずいぶん戻っているのが分かります。文字を彫刻している部分は、彫刻のない部分に比べると文字に影響がないよう微妙に加減をしながら磨きますので、数値としては上げるのが難しいのですが、目標としている数値90以上は出すことができました。
汚れもスッキリ落ちて、輝きが戻った中台です。こちらも目標数値90以上です。
芝台も丁寧に研磨を行って、ここまでツヤが戻っています!
石そのものの特性や状態から、目標としている90という数値を出すことが難しい場合もありますが、段階的な研磨作業の都度数値を計測して、可能な限り目標値を越えるように研磨を行っています。実際には、80台後半あれば見た目にもかなりきれいです。現代の加工・研磨の技術で行っていますので、もしかすると数十年前の建立当時よりもきれいになっているかもしれません^^
ステンレス製の金具への交換、文字彫刻の色の入れ直しなども終えると、すべてこのようにきれいに梱包して、札幌市にある真駒内滝野霊園までトラックで運搬しました。あとは札幌の石材店さんが霊園でのお墓の据え付けをするばかりです。その後、札幌でお墓の再建を終えたお客様からお礼のお電話をいただいた際には、「ほんとにうちのお墓ですか!?」とびっくりされていました^^ これほどきれいになるとは思っておられなかったようで、「新しく建てたみたい!」と喜んでくださっていました。
最近は、父が数十年前に建立させていただいたお墓のお墓じまいのご相談も多くなりました。同じようなケースで、地方にお墓があるけれどご自宅近くにお墓を持ちたい、という方も多いのではないでしょうか?ご事情で仕方ないことではありますが、施主様が当時苦労して建てられてこれまでお参りを続けてこられたことや、父が建立にたずさわったことを思うと、そんなお墓を解体・処分するのはやはり少し寂しい気持ちもあります。そうした事情もあって、今回のような「解体返還」→「再研磨・加工」→「移設運搬」というお墓じまいの事例は、新たな送り出し改葬の仕組みとしてご提案を続けていきたいと感じました。もちろん、傷があるなどお墓の状態や、改葬先の霊園等の事情で難しいケースもありますが、状態を判断して可能性がある場合は、選択肢のひとつとしてご提案させていただきます。同じようなケースでお墓じまいをお考えの方も、きちんとお墓を拝見してご提案をさせていただきますので、一度ご相談いただければ幸いです。
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